サッカーの話をしよう
No.636 11の日本代表が動く2007年
2007年の「日本代表」の先陣を切って、U−22(22歳以下)日本代表が来週水曜日、北京オリンピックのアジア第2次予選に突入する。初戦はホーム、東京・国立競技場での香港戦だ。それに先立って、きょう21日には熊本にアメリカを迎えて最後の強化試合が開催される。
ことしほど「日本代表」が忙しい年は、かつてなかっただろう。イビチャ・オシム監督が率いるA代表は7月にベトナムなど東南アジアの4カ国で開催されるアジアカップに出場する。決勝戦まで戦えば6試合になる。しかし親善試合の数は7試合程度で、例年に比べると少ないほうだ。「忙しい」のは、A代表自体ではなく、たくさんのチームが動くということだ。
反町康治監督率いるU−22日本代表は、11月までに2次予選6試合と最終予選6試合、計12試合を戦わなければならない。8月にスタートする最終予選は、強豪ばかり4チームのグループで首位にならなければ北京オリンピックの出場権が得られないという厳しい戦いだ。
その下の年代のチームにも厳しい戦いが待っている。吉田靖監督が率いるU−20(20歳以下)日本代表は6月30日から7月22日までカナダで開催される世界大会に出場する。95年大会以来7大会連続出場。上位進出を目指す。
一方、城福浩監督率いるU−17(17歳以下)日本代表は、8月18日から9月9日まで韓国で開催される世界大会に臨む。昨年のアジア予選で12年ぶりの優勝を果たしたチーム。日本サッカー協会が新しい方針の下に強化を始めた最初の世代であり、期待は大きい。
さらに、秋には、2009年のユース年代の世界大会を目指すアジア第1次予選がスタートする。この大会のために、U−15(15歳以下)とU−18(18歳以下)の2つの日本代表のチームづくりも始まる。
忙しいのは男子の日本代表だけではない。女子の日本代表も各年代で大忙しだ。
大橋浩司監督が就任して3年、女子A代表の「なでしこジャパン」は、9月10日から30日まで中国で開催されるFIFA女子ワールドカップへの出場を目指し、3月10日(東京)と17日(メキシコ)にメキシコとの間でプレーオフを戦う。非常に厳しい戦いだが、2月のキプロス遠征でノルウェー、スウェーデン、スコットランドという強豪を相手に2勝1分けの成績を残し、大きな相手に対する準備は万全だ。
女子もユース年代の日本代表が動く。吉田弘監督が率いるU−16女子代表は3月8日から17日までマレーシアで開催されるアジア選手権に出場する。11月には、U−19女子代表がやはりアジア選手権に出場する。
男子6チーム、女子3チームの「日本代表」に加え、フットサルとビーチサッカーの日本代表も活動する2007年。合計すると、300人近くもの選手たちが、同じ青いユニホームの誇りを胸に、勝利を目指すことになる。
(2007年2月20日)
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