サッカーの話をしよう
No.730 2018、2022ワールドカップは?
インターネットで「world cup2018」を検索していたら「イスラエルとパレスチナの共同開催」を呼び掛けるというサイトにぶつかった。考えるまでもなく、ミサイルを撃ち合うより、力を合わせてワールドカップを開催するほうがはるかにましだ。
先週、国際サッカー連盟(FIFA)は、2010年南アフリカ大会、14年ブラジル大会に続く18年と22年の2回のワールドカップ開催国決定のプロセスを加盟協会に通達した。10年12月に2大会分を決定するという。
ワールドカップ開催国の決定は「大会の6年前」に決まっていると思っていた。10年に2大会分が決まれば、それぞれ8年前、12年前ということになる。
もっとも、「6年前に決定」が固定化したのは過去四半世紀程度のことで、90年イタリア大会以後だ。第二次大戦前の3大会は1年か2年前だったし、50年ブラジル大会は4年前の決定だった。
このブラジル開催が決まった46年のFIFA総会では、同時に次の大会をスイスで開催することも決定した。当初、両大会はそれぞれ49年と51年の開催予定だった。当時のFIFAは、ワールドカップを2年にいちど開催する考えに傾いていたのだ。それが修正され、ブラジル大会を50年に、スイス大会を54年にと変更したのは、48年のことだった。
66年には、74、78、82年の3大会の開催国が一挙に決まった。いずれも立候補は一カ国だけで、それぞれ西ドイツ、アルゼンチン、そしてスペインが開催することになった。82年スペイン大会には、16年間(!)という過去最長の準備期間が与えられたのである。
1月15日にFIFAから加盟協会に送られたレターによれば、18年大会にはアフリカと南米、そして22年大会には南米からの立候補は認められていない。そして2大会連続して同じ大陸での開催は認められていないから、仮に18年大会がヨーロッパでの開催になると、22年大会は南米とヨーロッパ以外での開催ということになる。立候補は、2大会ともにでも、どちらかひとつでもいい。
現在のところ公式に立候補表明をしているのはイングランド、オーストラリア、ポルトガルとスペインの共同開催など6つ。その他、日本など6カ国の立候補も有力視されている。FIFAに対する正式の立候補意思表明締め切りは2月2日。さて、どんな「招致合戦」になるか―。
(2009年1月21日)
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