サッカーの話をしよう
No.934 世界への扉 コンフェデレーションズカップ
11日にイラクとのワールドカップ予選最終戦(ドーハ)を終えると、日本代表はブラジルに直行する。15日に開幕するFIFAコンフェデレーションズカップ(コンフェデ)に参加するためだ。
コンフェデは国際サッカー連盟(FIFA)傘下の6地域連盟のチャンピオンが集う大会。そこに世界チャンピオン(前回ワールドカップ優勝国)と開催国を加え、8チームで開催される。ワールドカップの前年に、ワールドカップ開催国を舞台に行われる「プレ大会」の位置付けだ。
大会が始まったのは1992年10月。サウジアラビア協会が主催する招待大会だった。4チーム参加、全4試合のミニトーナメントだったが、意外に好評で、95年の第2回大会に続く97年の第3回大会で正式に「FIFAコンフェデレーションズカップ」となり、第4回大会からサウジアラビアを離れて世界各地での開催となった。
05年までは2年にいちどの大会だった。以後4年にいちど、ワールドカップの開催国でワールドカップの前年開催となった。
日本はこの大会に縁が深い。過去8回の大会のうち4回出場。第9回を迎える今回、5回目の出場は、ブラジル(7回目)、メキシコ(6回目)に次ぎ第3位だ。01年には準優勝を飾っている。
初出場はサウジアラビアの首都リヤドで行われた95年の第2回大会。92年アジアカップ優勝による出場だった。1月6日の初戦でナイジェリアに0-3、2日後にはアルゼンチンに1-5。2戦2敗で大会を終えた。加茂周監督就任直後でチームを固める時間がなかったうえにシーズン終了直後でコンディションが整わず、力を出し切れなかった。
だが日本代表にとっては、これが「世界大会」へのデビューだった。オリンピックや年代別ワールドカップへの出場はあっても、ナショナルチームが集う世界大会への出場は初めてのことだった。
1月8日のアルゼンチン戦、4点をリードされた後半12分に日本は相手ペナルティーエリアの右外、ゴールまで25メートルでFKのチャンスを得た。キッカーは当時ジェノア所属のカズ(三浦知良)。左足を振り抜き、右隅に決めた。日本の「世界大会第一号ゴール」だ。
さてブラジルで開催されることしの大会、日本は開催国ブラジルとの開幕戦に出場する。会場は首都ブラジリア。入場券は早々と完売している。世界の耳目を集めるなか、日本代表はどんなサッカーを見せてくれるか―。
(2013年6月5日)
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