サッカーの話をしよう
No.968 Jリーグを日本全国のものにするJ3
Jリーグ3部、「J3」がスタートする。
1993年に10クラブで誕生し、7シーズン目の99年に2部「J2」が発足したJリーグ。それから15年を経て、新たなステージを迎えることになった。 J3初年度は12クラブに「JリーグU-22選抜」を加えた12チームで、3月9日から11月23日まで3回戦総当たりの全33節を展開する。
U-22選抜は興味深い。2016年のリオ五輪を目指す年代(1993年以降の生まれ)に限定し、試合ごとにその週末のJ1とJ2でメンバー入りしなかった選手から選抜する。
「これまで3年間かかった経験を1年で積ませる」と、チームを運営する日本サッカー協会の原博実専務理事兼技術委員長は語る。
だが長期的視野でより重要なのはJ3の存在そのもののはずだ。Jリーグが本当に日本全国のものとなる礎ができたからだ。
Jリーグは一昨年にJ1が18、J2が22クラブの定数に達し、初のリーグ外への降格が実施された。その一方で、日本全国にはJリーグ入りを目指すクラブや動きがさらに数十もあり、その多くが、「入場可能数1万人以上(J2)」というホームスタジアムなど、プロクラブとして規定された基準のクリアに苦しんでいるという事実がある。
J3はそのハードルを低くし(スタジアムは5000人以上)、本格的なプロクラブへの「導入段階」のような意味合いをもたせた。J3で地域に根差した活動を展開して理解を広め、まずはJ2基準のプロクラブづくりを目指してもらおうという考え方なのだ。
U-22選抜を除く11クラブには、東北の3クラブを始め、これまでJ1あるいはJ2のクラブがなかった県からの参加が5クラブもある。J2に新加盟の1クラブを含め、「Jリーグがある都道府県数」は、昨年の30から36へと増えた。
さらに「予備軍」がひしめき合っていることから、J3のクラブ数は急速に増えるだろう。J1の強豪がBチームを編成して参戦するかもしれない。5年後にクラブ数が24になり、東西2リーグになる可能性は十分ある。そのときには、日本の大半がJリーグで覆われることになる。
ことしは原則日曜日開催になっているが、観戦に最適な曜日・時間は地域やクラブによってさまざまなはず。全試合生中継という縛りがあるわけではないから、もっと自由にしたらどうか。J3が元気を発散し始めたら、Jリーグ全体が活気づくはずだ。
(2014年2月5日)
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