サッカーの話をしよう
No.1124 第10回を迎える『コンフェデ』
日本代表が出場権獲得を目指して格闘中のFIFAワールドカップ2018ロシア大会。その開幕がちょうど「あと1年」となった。来年の6月14日、モスクワのルジニキ・スタジアム、開催国ロシアが出場するカードで64試合の熱戦の幕が切り落とされる。
ルジニキ・スタジアムは旧称レーニン・スタジアム。1980年モスクワ五輪の主会場であり、来年のワールドカップでも、開幕戦とともに決勝戦の舞台となる。
さてワールドカップまで1年を切った今週土曜(17日)には、「プレ大会」とも言うべきFIFAコンフェデレーションズカップが開幕する。「コンフェデレーション」とは国際サッカー連盟(FIFA)傘下の6つの地域連盟のこと。各地域連盟の王者に前回ワールドカップ優勝のドイツとホスト国ロシアを加えた8チームで優勝を争う。
アジア代表は2015年アジアカップ優勝のオーストラリア。大半が昨日だったワールドカップ・アジア最終予選の第8節、オーストラリアがサウジ戦を先週実施したのは、この大会に備えるためだった。
そう古い大会ではない。スタートから25年、今回がちょうど第10回の記念大会となった。1992年にサウジアラビア協会の招待大会として始まり、97年の第3回からFIFAの公式大会となって現在の名称に変わった。
最多優勝は過去9大会中7大会に出場(最多出場)で5回優勝のブラジル。だが今回は南米王者の座をチリに奪われ、大会にその姿はない。今大会、出場回数ではメキシコがブラジルに追いつく。
「コンフェデ」は日本になじみの深い大会でもある。出場回数でブラジルとメキシコに次ぐのが95年大会を皮切りに過去5大会出場の日本なのだ。通算試合数でもブラジル(33試合)とメキシコ(22試合)に次ぎ16試合で3位。ただし通算成績になると5勝2分け9敗で7位に後退する。それでも自国開催の2001年大会では決勝に進出し、フランスに0-1で惜敗している。
2年にいちどだった大会がワールドカップのプレ大会と位置付けられたのが、この2001年。日韓共同開催だった。そして現在は、4年にいちど、ワールドカップの前年にその開催国で開かれている。
興味深いことに、過去9代のチャンピオンを見ると、すべて自国人監督が指揮をとるチームだった。その「伝統」が守られれば、今回の優勝は開催国ロシア、ポルトガル、オーストラリア、ドイツのなかから出ることになる。
来年のワールドカップで使われる11都市12会場のうち4都市4会場で繰り広げられる2週間、16試合の熱戦。試合とともに、どんな雰囲気になるかにも注目したい。
(2017年6月14日)
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